観音様の慈愛を絵で伝えたい

観音様の慈愛を絵で伝えたい


観音様の慈愛を絵で伝えたい


私は、人の顔を描くのが好きです。
しかし、神仏のお顔を描くときは、今でも
緊張します。
神仏は超越した存在であり
人間とは異なる表情や雰囲気を表現するのは
難しいからです


特に、仏様の眉毛は、普通の人とは異なり、
きれいな弓なりの形をしています。
また、口は小さめで微笑を浮かべているのが特徴的です。


さて、今回ご紹介する絵は観音様です。
人々の苦しみを救う慈悲の仏です。

観音様の慈愛は、誰もが持つ、誰かを助けたい、
誰かに寄り添いたいという気持ちに
通じるものだと思います。


私は自分の作品を通して、そんな気持ちを少しでも伝えたい、
見た人に暖かな気持ちになってほしい、
そう願いながら描いています。


観音様の慈愛を絵から伝えるために、
私は色々こだわりを持って描いていますが、
今回は二つご紹介しますね。


・観音様の表情を、見る人の心を癒すような
温かさを感じられるように描く。

・観音様の手を、温かい光を放っているように描く。



特に表情は大事なので、
微笑んでいる観音様を描くときは、
その笑顔が見る人の心を癒すような温かさを感じられるよう、
祈りを込めたり真言をお唱えしながら描いています。


また、感情的な部分だけではなく、
沢山の資料を見て、過去の仏師や仏画師がどのように
仏様を表現してきたのかを研究してきました。


その中で、私が惹かれる表情や造形を探しに、
色々なお寺や展覧会に出かけて、
沢山の本を読んできました。

そんな風に頭の中にストックされたイメージが、
私が描く時に浮かんできて、
実際に描く時に役立っています。


神仏画に限らず、他の絵を描く場合にも、
このようなアプローチの仕方は有効です。
絵は、先人の良いところを学び、
自分なりに昇華していくことで、
その作者なりの絵へと進化していきます。


絵描きとしてまだまだ未熟なところはありますが、
真摯に取り組むことで神仏が見守って
くれているのを信じながら、日々絵を描いています。